たびねこぶろぐ

　午後４時３５分。微動が数秒続いて、直後、ガツンと下から強い衝撃。
　冷蔵庫の上で惰眠中のタビは驚いて、天井に頭をぶつけそうなほど飛び上がった。冷蔵庫から飛び降りた拍子に、近くにあった小さな茶碗を床に落としてしまい、その音に、また、驚いて、居間から廊下へ向かって全力疾走。完全なパニック状態で、顔も引きつっておりました。

　ところで・・・
　仕事の関係で、ブログというものを知る必要が生じ、一日でも一週間でも、ためしにやってみるか、ということで、「たびねこぶろぐ」を始めたのが昨年のきょう。志（こころざし）低く、ひたすら、居眠りする猫を撮っているうち、一年が立ってしまいました。成果といえば、猫はやはり眠ってばかりいるのだということを再確認したことぐらい。うつらうつらの日々でしたが、ちょうど「震度５」の日、ふと目を覚まされたわけではないけれど、ブログにいったんピリオドを打つことにしました。・・・ピリオドなんて大げさですが、では、また、いつか。

　

梅雨明け。猫にとってはそれは喜ばしいのか、うんざりなのか。日中の大半の時間は、とりとめもなく、呆然としている。

　午前中に３０度を超す。体の熱を逃がそうと、シーツをはいだベッドにへばりついて、ただ天井を見つめている。

　実は「関係者」の間で、ちょっと痩せた、結構男前だ、と評判なのだ。悪い気はしない様子のタビ。

　東京で蝉の声を聞くのは、きょうが初めて。
　夜、ベランダに迷い込んできて、ゼンマイ仕掛けのおもちゃのようにジージー鳴く蝉を眺めるのは、タビの夏の楽しみの一つだ。

　のんびりした休日は久しぶり。最近は夜も、ろくにいなかったので、タビが卓上で眠っている姿が何だか懐かしい。外は激しい雨。リモコンを枕に気持ちよさそう。

　じめじめムシムシの梅雨の夜。帰宅して、見当たらないと思ったら、洗濯機の上でぐったりしている。
　ただ、こう見えても、食欲は旺盛。それに、顔の前で手をちらつかせると、噛み付いてくるほど獰猛。

蒸し暑い。朝から放心状態のタビ。床にぺったり体をつけて、ひたすら熱を逃がす。

　夜勤から帰ると午前二時半。つまならそうに、ビル・エバンスを聴く。

　今年初めて扇風機を出した。扇風機の下にも風の対流が出来るのだろう。タビが、涼しげに、もたれている。
　そんな午後、ウォルトン著「釣魚大全」を読んでいたら、時代劇専門チャンネルで鬼平犯科帳のドラマ、劇場用映画を１２時間ほぼぶっ通しで放映しているのを思い出した。
　タビの横に寝そべって、際限もなく見てしまう。「土蜘蛛の金五郎」とか「生駒の仙右衛門」とか、懐かしい名前が次から次に出てくる。「大川のご隠居」を見るのは二度目だ。
「ご隠居」の姿＝写真下＝までデジカメで撮ってしまう